身近に役立つ東洋医学の発想術

東洋医学と易のユニークな発想で今日の一日をもうちょっとhappyに。

「年」のせい、って、「今年」のせい

こんにちは。易占と鍼灸の仙亀です。


日本人はあいさつがてら、天気の話題をよく用います。

「暑いですねぇ、日差しが強いから外出されるの大変でしょ」

「暑くてジメジメしますね。蒸し暑いから食欲もなくなりますねぇ」

「雨がやまないから、洗濯物乾かなくて匂いとか気になる頃ですねぇ」

「暑いからどこに行ってもエアコンが効いていて、意外と寒いんですよねぇ」

などなど。

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30年前の東京と比べて、今の東京は季節がドラマチックに移り変わり、天候の変動も怖いくらいの勢いで急変します。

季節の移ろいは、直接カラダに影響します。

植物などはこうした気温の変化や日差しの量などで開花や結実、発芽などを目安にしています。

人のカラダも四季の移ろいをちゃんと意識しながら、その都度環境の変化に合わせて体調のバランスを調整しています。

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【「年のせい」と「今年のせい」】
鍼の施術を受けに来られる方で、「年のせいかしら?」という方、とても多いです。

なんでも、お友達や病院などで「年のせい」をカラダの不調の原因にしてしまうのだとか。

なるほど、たしかに「年のせい」にしてしまえば、気持ちは楽になるのかもしれませんね。

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東洋医学では「加齢」に対する過ごし方のアドバイスなどを「養生」として記載されているものがあります。

一般的な病の成り立ちとは異なり、妊婦さんや子ども、そして、年配の方には、それぞれ独特な見立て方が必要になります。

・妊婦さんには「婦人門」
十月十日のダイナミックに移り変わるカラダのバランスに合わせた見立て方の工夫と、分娩、産じょく期の見立て方

・子どもには「小児門」
6歳までの乳幼児期独特の発育過程を考慮したカラダの変化に合わせた見立て方の工夫

・年配の方には「老人門」
老いていくというカラダの特徴を考慮したカラダの見立て方の工夫


古い東洋医学書物の「老人門」をひもといてみれば、カラダの変化は「枯れる」ということを考慮した内容が中心となります。

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一般的に年のせいだからというのは、東洋医学ではカラダの潤滑油が目減りしていることによる体調の不都合をさします。

・思考の潤滑油の目減り
「え~と、え~と」が増える、「あれ、それ」が増える、うっかり物忘れが増える

・手先の潤滑油の目減り
「ありゃま」と物を落とす、「あれっ?」と手に力が入らない、「おやおや」と手が震えるなどが増える

・足腰の潤滑油の目減り
「どっこいしょ、よっこいしょ」が増える

・眼鼻耳口の潤滑油の目減り
「う~ん、よく見えないなぁ」「はぁ、なんて言った?」「(匂いがしなくて)おいしくないねぇ」「味がしないねぇ」などの文句が増える

などなど。

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あっちが痛い、こっちが痛い、あっちがつらい、こっちがつらい、というのは、じつは東洋医学的には加齢が原因の症状ではなく、季節や体調のアンバランスによることの方が多いです。

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ぼくの鍼施術の時間、「やっぱり年のせいかねぇ」とたずねられると「いやいや、今年のせいですよ」と決まり文句でお返しします。

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老いるということは、ゆっくりじっくり物事を考えたり、ゆっくりじっくり丁寧に目先のことを味わうように過ごせるようになる、特別な時間です。

古い良い思い出は鮮明に覚えていて、数日前の嫌なことはすっかり忘れることができるなど、老いるということの力強さの特権でしょうね。

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東洋医学的に「老い」の始まる年齢は、更年期を過ぎたあたりから。

更年期前の壮年期は、心身ともに大活躍できる充実した時期です。

更年期を迎えると、次に訪れる「安定期(物事に動じない老いの時間)」のカラダの支度が始まります。

不安定な更年期を過ぎることで、安定した心身をたのしむ時間がおとずれます。

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昨今、若い時分からカラダやココロに無理をかけて、「老いの支度」を考えずに過ごす人たちがたくさんいらっしゃいます。

現代社会というのが、そんな風潮であれば、カラダのリズム本来に立ちかえる機会をどこかで見つけられたらよいのかと。

老いの支度」は若い時分から済ませる必要があります。

無理は禁物、常に節度のある暮らし、これは江戸時代後期に書かれた「養生訓」という書物にひんぱんに出てくる表現です。

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安定した「老いのカラダ」は、じつは不順な天候にもあまり左右されることはありません。

不安定な「老いのカラダ」は、不順な天候に翻弄され続けます。


さてさて、だれにでも訪れる「老いの時間」、まずは今年の暮らし方から支度をすませていきたいですね。

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